ベーチェット病の副症状
【監修】横浜市立大学 名誉教授 石ヶ坪 良明

消化器病変

症状

消化管に潰瘍が現れるタイプを腸管型ベーチェットとよびます。潰瘍は深く、小腸と大腸の間にある部分(回盲部)にできることが多く、食道から直腸にいたるまでどこにでも病変が生じます。また潰瘍と正常な部分の境界が明瞭であることが特徴です。
内視鏡検査などの検査により、クローン病などとの鑑別が重要です。
主な症状は、腹痛、下痢、下血などです。

治療

治療は、腸の炎症を抑える、栄養状態の改善と維持、そして合併症の予防の観点から治療が行われます。具体的には、5アミノサリチル酸製剤、ステロイドホルモンや抗TNFα製剤、免疫調節薬などが使われます。一方、発熱などの全身症状が強い場合、狭窄などを伴う場合や穿孔の危険が高い場合には、完全静脈栄養療法が用いられます。また、内科的治療で良くならない場合や、潰瘍が深くなり、腸に穴が開いてしまった場合(穿孔)は、腸からの出血を抑えるために、手術が必要になることもあります。