ベーチェット病とは
ベーチェット病(Behçet’s disease)とは、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の4つの症状を主症状とする慢性の全身性炎症性疾患です。個々の症状が消失と再発を繰り返すのが特徴の1つです。
4つの主症状のほかに、副症状として消化器症状、神経症状、血管炎症状などが出現する場合があります。
また、ベーチェット病と診断されたときには見られなかった症状が時間を経て現れてくることもあります。
ベーチェット病は、それだけでベーチェット病とわかる検査がなく、主に症状から診断します。
厚生労働省特定疾患ベーチェット病調査研究班の診断基準(2003年)では、経過中に4つの主症状全てが見られた場合を「完全型ベーチェット病」、主症状が3つ、または主症状が2つと副症状が2つ、または眼症状と主症状1つあるいは副症状2つが見られた場合を「不全型ベーチェット病」としています。
ベーチェット病には、症状が出現している時期(活動期)と、おさまっている時期(非活動期)があります。
その期間や症状の組み合わせ・程度は患者さんによって異なりますが、活動期と非活動期が繰り返され、長期にわたって継続しますので、症状がおさまっている時期でも定期的に受診するようにしましょう。
ベーチェット病の原因についてはまだよくわかっていませんが、最近の研究から遺伝要因と環境要因が相互に関与して発症するのではないかと考えられています。
残念ながら現在のところ、ベーチェット病を完治させる治療法はありませんが、さまざまな薬が開発され、治療の進歩によって症状をやわらげたり、日常生活への影響を小さくすることができるようになりました。