ベーチェット病の副症状
【監修】横浜市立大学 名誉教授 石ヶ坪 良明

神経病変

症状

神経症状が前面に出る病型を神経型ベーチェット病といいます。 髄膜炎、脳幹脳炎として急性に経過する急性型と、片麻痺、小脳症状、錐体路症状(身体の動きが悪くなる、勝手に身体が震える)などの神経症状に認知症などの精神症状を来し予後不良の慢性進行型に大別されます。
男性に多く、だいたい1割程度の患者さんに見られます。
また、眼の症状に使われる治療薬が神経症状を引き起こすことがあるという報告があり、注意が必要です。

急性型(髄膜炎、脳幹脳炎)
慢性進行型
治療

急な発作が出現した場合には、後遺症や生命予後への影響の大きさを考えて、ステロイドのパルス療法(大量の点滴)を行い、以後は経口のステロイドにスイッチし、効果を確認しながら減量していきます。
ステロイドの大量投与は免疫力の低下による感染症に注意が必要なため、短期間に入院して行われるのが一般的です。
一方、徐々に進行する慢性進行型の治療については、免疫抑制薬、抗TNFα製剤が用いられます。