ベーチェット病の副症状
【監修】横浜市立大学 名誉教授 石ヶ坪 良明

血管病変

症状

皮膚に近い部分の表在性血栓性静脈炎が皮膚症状として見られることがあります(皮膚症状を参照)が、大きな血管に病変があったときは血管型ベーチェットと分類されます。
男性に多く見られ、静脈、動脈ともに症状が出ます。
頻度的に多いのは静脈の血栓症で、血流が心臓に戻らなくなって表在静脈が腫れたり、静脈瘤ができることもあります。また、足の静脈の深い部分(深部静脈)が詰まり、足が腫れて歩きにくくなることもあります。
動脈の場合、腹部や大腿の太い血管に静脈血栓や動脈血栓や動脈瘤ができることがあります。

動脈/静脈
治療

炎症を伴う動脈の症状では、ステロイドや免疫抑制薬、 抗TNFα製剤を用いて炎症を抑えます。
外科手術による動脈瘤や血栓の除去を試みることがありますが、手術自体の血管への刺激により再発を招きやすいこともあり、破裂のリスクなどがある場合以外は慎重に検討します。
血流の促進・改善を図るため、血が固まりにくくなる抗血小板薬や抗凝固薬による治療を行うこともあります。